「明日の本番までに、レールをさがしてきてください。」
往年の名指揮者、山田一雄さんが打楽器奏者に注文しました。
シュトラウスの「鍛冶屋のポルカ」の練習中のことです。
「鍛冶屋」を音で表現するのに、鉄道の「レール」が最適との指示でした。
しかし、どこでレールを手に入れるかが問題。
レールと言えば鉄道会社。
使えなくなったレールがどこかにあるはず。
探しまわっているうちに、古くなったレールを切って、文鎮等に加工して売っている場所が見つかりました。
打楽器奏者というのは、楽器を探す(つくる?)のも大切な仕事のようです。
本番には無事にレールをたたく音がホールに鳴り響きました。